

#3公認会計士
×インキュベーション
EFポリマー株式会社
CFO
吉川弘志さん

「会計」という言語で、挑戦する人と投資家を結ぶ
世界中で干ばつが深刻化しています。毎年大雨の被害が出ている日本も決して他人事ではありません。と言うのも、大雨の日数は増えている一方で降雨日そのものは減少してきているからです。
そんな干ばつの問題に向き合っているのが、J-Start up OKINAWA 第1回選出企業でもあるEFポリマー株式会社です。創業者はインド出身の若き研究者。右も左も分からないまま沖縄にやってきた彼を献身的に支えたのが、今回ご登場いただく吉川弘志さんです
千葉県ご出身の吉川さんが、なぜ沖縄でインド人起業家をサポートすることになったのか。新しい事業の芽を育てるためのヒントが詰まったインタビューとなりました。

公認会計士にこそ務まる『翻訳』がある
産業が新しく生まれる場所へ向かって
その時々の自分のやりたいことに従って、軽やかに舵を切る。吉川さんはそんな印象の人だ。
できるだけ色々な会社に関わり、その先の可能性と選択肢を広げられるような仕事をしたい。そんな思いから吉川さんは公認会計士の資格を取得した。
入所した大手監査法人では監査業務を4年。「人が作った数字を見る側から、自分で数字を作る側に行きたい」と事業再生部門へ異動。そこで大手家電メーカーの再生案件を担当することに。
「もともと事業を作ることに関心があったので、仕事はタフでしたがやりがいはありました。ですが、産業構造が大きく変化する中で、構造的に難しいものを再生させようとしても思うようにいかなかった」

2014年頃になるとアベノミクス景気の影響もあり、事業再生の件数が落ち着いてくる。ちょうどその頃、吉川さんは沖縄の焼き物の大御所を訪ねる旅行へ。その時に訪れた沖縄科学技術大学院大学(OIST※)に強く惹かれた。
事業再生を3年。吉川さんの中で「産業が新しく産まれる方向へ行きたい」という思いが大きくなってきた頃に出合ったのがOISTの人材募集である。
「面白そう。とりあえずやってみよう」と2016年、吉川さんは仕事も生活も沖縄へ移した。

※OISTとは(公式HPより)
沖縄科学技術大学院(OIST)は、理工学分野の5年一貫制博士課程を置く学際的な大学院大学です。世界の科学技術に貢献するとともに、国内外の優れた研究者を招へいして質の高い研を行い、世界最高水準の研究拠点を形成し、沖縄の技術移転と産業革新を牽引する知的クラスターの形成を図ることを目的として、日本政府によって設立されました。

※OISTとは(公式HPより)
沖縄科学技術大学院(OIST)は、理工学分野の5年一貫制博士課程を置く学際的な大学院大学です。世界の科学技術に貢献するとともに、国内外の優れた研究者を招へいして質の高い研を行い、世界最高水準の研究拠点を形成し、沖縄の技術移転と産業革新を牽引する知的クラスターの形成を図ることを目的として、日本政府によって設立されました。
インキュベーションセンターの立ち上げ担当へ
OISTの財務部に所属し4年が経った頃、吉川さんに再び「面白そう」な出合いが訪れる。OISTにスタートアップを支援するためのインキュベーションセンターが新設。その立ち上げ担当の募集だった。これこそ当初やりたかったことにつながると感じた吉川さんは、迷わず手を挙げ採用された。
立ち上げ担当の仕事は多岐に渡る。研究室の法制度への対応から安全管理、インターネット回線手配や消耗品の発注まで。まさに「何でも屋」だ。
施設整備の一方で、OISTのアクセラレータープログラムに採択されてやってきた起業家の支援も任された。資金調達の相談はもちろんのこと、日本語が話せない外国人メンバーの生活周りのお世話や通訳。役所やコンビニにだって必要とあればお供する。日本語が不自由だからと補助金申請を断られそうな起業家に代わって、県職員とやり合ったこともある。
